故障率の低い装置の動作音を蓄積し、音の比較や乖離値の経時変化から個体差を見える化する事例をご紹介します。
ニーズと課題
工場やプラントでは、ポンプやコンプレッサーなどの動力機器が多数使用されています。これらの機器はモーターや内燃機関などの回転動力を伝達しますが、動力そのものや軸受けなどが破損をすると工場などの生産に大きな影響を及ぼします。
ポンプやコンプレッサーは、一定の負荷で運転されるものもありますが、負荷を動的に制御するものもあります。負荷が動的に変化すると音の大きさが変化するだけでなく、音質も変化し、点検者が容易に良・不良を判断することが難しくなります。
また、装置の異常を予知し、予防的に保守をするためには、対象とする装置の状態を経時的に記録し、傾向を判断することが必要となります。それには状態を定量的に見える化しなくてはなりませんが、人の感覚的な判断では正確に判断することは困難です。
Mononeを導入することにより、回転機械の様々な負荷状態を学習し、負荷により音圧や音質が異なっても状態を数値化し、この数値から装置の状態を把握することで、装置の経時的な変化や、保守前後での状態の変化、同じ仕様の装置間での比較により装置の状態に応じた適切な保守が可能です。
NTTデータCCSのソリューション
教師なしモデルによる機械学習の採用
工場やプラントで使用される装置は故障率が低く、その上点検者が定期的にメンテナンスを行い運用することがほとんどです。このため、装置はほぼ故障せず、故障を疑似的に発生させることも困難です。このようなケースでは、Mononeの教師無し機械学習モデルにより、正常データのみからモデルを作成し、異常の傾向を判別します。
簡単な構成
ノートPCとマイクだけの簡単な構成のシステムにより現場でデータの記録や確認などが可能です。その場での解析だけでなく、巡回時にデータを集めて後でまとめて解析することも可能です。装置ごとに必要なAIモデルをお客様が作成出来るため、装置の追加や装置の変更にも柔軟に対応出来ます。
実績
出荷検査
出荷検査業務への適用
(モーター)
異音検知をモーター又はモーターを組み込んだ商品の出荷検査業務に適用する事例をご紹介します。
保守点検
巡視点検業務への適用
(プラント)
製油所や化学プラントなど、広大な敷地に設置された設備の巡視点検業務に異音検知を活用する取り組みをご紹介します。
稼働確認
遠隔監視業務への適用
(風力発電)
風力発電機の遠隔監視に関するニーズや課題に対する取り組みをご紹介します。